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インタラクション2024冬「研究者紹介~大型低温重力波望遠鏡KAGRAの万能型研究者牛場先生~」④

みなさん、こんにちは!

カミオカラボのサイエンスコミュニケーター(SC)、山田です!

今回はKAGRAの研究者インタビューの4回目です。

2024年1月1日の能登半島地震の影響でKAGRAの観測施設に影響があったとの発表がありました。
今回はその能登半島地震の影響についてのインタビュー内容です。

SC:能登半島地震で防振装置に影響があったとのことですが、現在はどのような状況ですか?(SC)
先生:能登半島地震で何が起こったのかといいますと、大きな揺れが起こったせいでつるされた鏡が大きく傾いて違う方向を向いてしまいました。もちろんその傾きを直す機構は備わっているのですが、直せる範囲を超えてしまって元の位置まで遠隔操作で戻せない状況になっています。その場合は一度真空槽の中の空気を抜いて、真空槽の中に入って直接人の手で直さないといけないので、現在のKAGRA坑内の真空槽はほとんど大気圧に戻して、中に人がアクセスできるようにして鏡の向きを調整するという事をやっています。

SC:色んな装置があると思いますが、それらの装置に影響はなかったのですか?(SC)
先生:もう一つは鏡の向きをリモートで動かすためにアクチュエーターがついているんですけど、アクチュエーターがマグネットとコイルでできていてコイルに電流を流して磁力を発生させて鏡についているマグネットに力を加えるというものになっています。そのマグネットが揺れたと時にコイルにガツンとぶつかってしまって取れてしまったのでそれを接着剤でくっつけるという細かい作業は残っていますけど、鏡を吊るすワイヤーがちぎれて鏡が落ちて割れたというような致命的な影響はないです。

SC:地震の影響で観測開始の遅れなどはありますか?(SC)
先生:元々は3月の共同観測に参加する予定だったのですが、その共同観測に参加するのは難しいという状況です。ただ、その共同観測は来年の1月まで続く予定なので9か月間の最後の方には間に合うようなペースで復旧を進めていきたいと思っています。

今回は能登半島地震の影響についてのインタビュー内容でした。
観測施設に致命的な影響があるほどの事故はなかったとのことでしたが、共同観測には間に合わなくなってしまったのはとても残念に思います。
しかし、今回の地震の影響から復活して、より性能が上がったKAGRAが今後活躍することを期待しています!

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