超新星早期警戒システム SNEWS
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超新星早期警戒システム SNEWS

NPO法人飛騨アカデミー理事でジオスペースアドベンチャー実行委員会の上葛健介(カミクズケンスケ)と申します。

所属の紹介は文末に掲載しておりますので、ぜひそちらをご覧いただきたいのですが、

とにもかくにも何より私。

ニュートリノが好きです。ご飯にふりかけて食べたいくらい。(太陽由来のニュートリノは毎秒5兆個を超える数(5cm×5cm×3.14×660億個)降りかかってますがw)

もっと言うと、

ニュートリノが山の中に蓄えられた5万トンの水の何かにぶつかって生じるチェレンコフ光を捉える光電子増倍管の一つ一つのデータがカラフルな色によってモニター上に表示される東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデイベントディスプレイが大好きです。


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届いた時間差もしくはエネルギー量で決まる、ドットパターンの美しさ。

同じパターンの絵柄が表示されることは絶対ないのに、一瞬一瞬全く人の目に触れずに消え、数字の羅列として残るだけという儚さ。

まるで、雨粒が池の水面に落ちてできるその波紋のよう。

そんな、カミオカラボの展示の中でも、割と見逃されがちなこのイベントモニターですが、実はニュートリノとそうではないノイズとの見分け方がありまして、その見方を聞くと、おおおっ!そーなってるのか!凄いっ!!!って感動するのですが、今回はそちらの話ではありません。前置きが長くなってしまいました。



超新星早期警戒システム SNEWS

星がその一生を終えるときに、メチャメチャ大きな爆発を起こします。超新星爆発です。
ところがいまだかつて人類は、この超新星爆発が起こる"まさにその瞬間"を観測したことがありません。そもそも超新星爆発を予測できないので、爆発した後に気づくからです。そこで、こちらの動画をご覧ください。(4分50秒です)

超新星を予知する方法 - サマンサ・クーラ


先ほども書きましたが、人類が超新星爆発の最初の瞬間を観測することは非常に困難です。


それもそのはず。観測できる範囲には無数の星があり、最高精度の天体望遠鏡をその一つ一つに向けておくことはできないからです。


と・こ・ろ・が、超新星爆発は、その中心部分から爆発が始まり、数十分もしくは数時間かけて星の表面に到達して吹き飛ばすことから、中心部分で爆発が始まった瞬間に出るニュートリノは、他の物質と反応しない性質のため、目で見える超新星爆発より先に地球に届くことになるのです。

そうなんです!つまり、超新星爆発由来のそのニュートリノを観測できれば、そちらの方向で数十分から数時間後に超新星爆発が起こる事が予測できるのです。

そこで登場するのが、超新星早期警報システム SNEWS(スーパーノバ アーリーワーニングシステム)!!

なんでしょう。すでに名前がかっこ良すぎます。これを記したグッズとかどこかにないでしょうか。欲しいです。

世界中の検出装置(もちろんスーパーカミオカンデも)が大量のニュートリノを観測すると、このアラートが鳴り、得られた方向や明るさ等の情報から全世界の天体望遠鏡がそちらを向く。全世界規模でみんなが協力して新しい発見を目撃する体制。目頭が熱くなります。

超新星爆発に伴うニュートリノを世界で初めて観測したのは、我らがカミオカンデです。
1987年2月23日。その瞬間は訪れました。
大マゼラン星雲で発生した超新星SN1987Aから無数に届いたであろうニュートリノのうち、観測できたのは11個。奇跡の11個です。
これがいわゆるニュートリノ天文学の幕開けであり、小柴昌俊先生がノーベル賞を受賞されるきっかけとなりました。

下の動画では超新星1987AのデータをプリントしたTシャツを紹介しています

1987年2月23日からもうすぐ34年。
我々の銀河内でも10年から50年に一度くらいの割合で超新星爆発が起こっていると考えられていますので、もういつニュートリノアラートが起こってもおかしくないわけです。それが明日かもしれない。ワクワクしますよね。

さらに深く知りたい方は、こちらの論文をどうぞ。



なんと、SNEWS2.0のお話しです。

今回、超新星早期警報システムについてご紹介させていただきましたが、スーパーカミオカンデの横で実験が始まっているKAGRAも、超新星爆発による重力波を観測できるとされています。スーパーカミオカンデでニュートリノ。KAGRAで重力波。これらを神岡の地で観測できることを楽しみにしています。

冒頭で紹介しましたカミオカラボのイベントディスプレイをずーっと見ていれば、その瞬間を発見できるかも。

スーパーカミオカンデとKAGRAといえば、先日発売されたばかりのこちらの本。まさに「ニュートリノと重力波」のことが一冊でまるごとわかります。タイトル通りw 超絶おすすめです。


NPO法人 宇宙まるごと創生塾飛騨アカデミー とは


ひだ宇宙科学館カミオカラボを指定管理にて運営しています。


ジオスペースアドベンチャー実行委員会 とは

GSA(ジオスペースアドベンチャー) は「神岡鉱山の本物の坑道」と「スーパーカミオカンデ」や「カムランド」などの宇宙物理学最先端の研究施設を活用して行う、地中での探検イベントです。
その運営は飛騨市民をはじめとした有志のボランティアスタッフ「 GSA 実行委員会」が中心となって行い、毎年限りのある定員に対して倍以上の応募がある、夏恒例の人気イベントです。


注)今回の文章につきましては、いちスーパーカミオカンデファンが書いたものに過ぎませんので、正確性に欠ける部分もありますがご承知おきください。



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