ベテルギウスは今・・・。

昨年の今頃は、多くの方が「ベテルギウスが爆発する!」というニュースを見たり聞いたりしたと思います。
その理由として、「縮んで暗くなっているので、爆発をする。」「形がゆがんで、ふくらみが見える」などでした。しかしその後、少しずつ明るくなり始めると、忘れられたかのように話題になりませんでした。
昨年2月に、当館のランチタイムトークの星空情報で取り上げました。

では、最新情報はどうなっているのでしょうか。

東京大学国際高等研究所のカブリ数物連携宇宙研究機構(通称IPMU)が2021年2月12日にベテルギウスに関する最新の研究結果を発表しました。
要約してお伝えしたいと思います。

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(上段)ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTで撮影された2019年1月(左)と2019年12月(右)のベテルギウス。(下段)最近のベテルギウスの光度変化(提供:(上段)ESO/M.Montargs et al, (下段)L.Molnar ,AAVSO, UCSD/SMEI, NASA/STEREO/HI

現在のベテルギウスは、星の中心部でヘリウムの核融合が起こっている段階にあると結論づけられました。ベテルギウスのような質量が大きな恒星は、今後の段階として、ヘリウムから生成された炭素などの核融合が始まる段階を控えており、ベテルギウスが超新星爆発を起こすまではまだ10万年以上の時間が残っているという。超新星爆発を見たい!と思っていた方には残念なお知らせなります。

ベテルギウスの現在の質量は太陽の16.5倍~19倍ほどで、最新の推定値よりわずかに小さいことも分かったそうです。また、半径は太陽の750倍で、従来の研究から推定されていた値の3分の2ほどであることも分かりました。これらの計算値の基づくとベテルギウスまでの距離は530光年で、従来よりも約25%近いことが明らかになりました。でも、晴れてれば、ベテルギウス(オリオン座の左肩)はよく見えます。

観測の精度が日々上昇し、新たな研究結果が次々と発表されています。また、火星のように米国、中国、UAEと3機の人工衛星が集まり、同時に観測を始めました。天文情報に日々気を配っているつもりですが、段々と追い付かなくなっていくのが残念です。

所で、注文していた望遠鏡が今日、届きました。今後、星空観望会などを企画していきたいと思っております。お楽しみに!

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