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ビデオ通話をして感じたこと

 こんにちは。
 カミオカラボは新型コロナウィルスの感染・拡大防止のため、今日から4月19日まで休館となります。また、状況によって延長の可能性もございますのでご来館の際はホームページをご確認の上、お越しください。

 この期間、地域の小さな科学館であるカミオカラボも何かしら発信を続けていきたいということで、カミオカラボのスタッフによるリレーブログを始めることにしました。毎日交代で、日常のことや科学のこと飛騨のことなどをブログ形式で書いていきます。

 開館再開まで”ゆる〜りと”続けていきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。

 さて、初回は私サイエンスコミュニケーターの高知尾が担当させていただきます。

 数日前、ふとしたきっかけから高校時代の友人グループとビデオ通話でのオンライン飲み会をやってみることになりました。
 ビデオ通話はいま世界中で流行っていて、最近初めて使ったという方も多いのではないでしょうか。
 私は埼玉の地元を離れて飛騨市で生活しているので、ふだんはなかなか会えないメンバーです。今回(オンラインで)会うのも久しぶりでした。
 気心の知れたメンバーだからこそリアルで会った場合と比べてみるわけですが、ビデオ通話でも実際ほとんど違和感はありませんでした。また、慣れというのもあります。最初はカメラを意識して話すわけですが、時間が経つにつれて(お酒が入るにつれて)だんだんとみんなカメラを意識しなくなりカメラの画角から外れながら喋り続ける者や、突然思いついたように夜食を作り始める者、布団を被り始める者までいました。
 感染症の流行という大変な時期ではありますが、それをひとつのきっかけとして遠く離れた者同士で以前のように気軽に話をする機会を得られたというのは少し不思議な感じがします。

 ビデオ通話自体は簡単に言えば「双方向のテレビ」なわけですから歴史は意外と古いです。一方で、こうして多人数で高画質かつ速度遅延も気にせずに使えるということでハードルが下がってきたと言えるのでしょう。

 さて、個人的にビデオ通話と聞いて最初にイメージするのはSFの世界です。宇宙船の中という閉鎖空間から地球上の司令本部や地球に残してきた家族とやりとりをするアレです。

 突然ですが、想像してみてください。今、米国の航空宇宙局NASAや民間宇宙ベンチャースペースX社では、人類の次なる目的地として火星への有人探査が検討されています。そんな少し先の未来で、あなたが火星までの往復チケットを手に入れたとします。技術面や健康面の問題は今よりもだいぶ解決されているとして、皆さんはこのチケットを使いますか?

 ただし、現在の技術では地球から火星までの片道旅行は最低でも6ヶ月かかるそうです。

 流石に一人では厳しいので、パイロットを含めて数人で行くとしましょう。それでも、往復1年以上となるとやっぱり寂しいかもしれません。

 でも、私達はすでにビデオ通話で気軽に地球上の友人や親族とコミュニケーションが取れることを知っています。(もちろん遠方になることで遅延は発生しますが...。)この「寂しさ」から来るストレスだけに限ってみれば、ひょっとしたら乗り越えられる気がしてきませんか?

 ちなみに私は、火星に行けるのであれば1年半くらいビデオ通話でも我慢できるかもと思ってしまいました。

 しかしながら、宇宙船の窓から外を見たときにふと「この果てしない宇宙で、周りにいる生命体は自分たちだけなんだ…」と気づいたときの孤独さは宇宙飛行士しか経験していない想像を絶するものなのかもしれませんが…。

 皆さんは、どう思いますか?

 さて、明日のブログは当館の施設長石橋が担当します。どうぞお楽しみに!

※バナー写真は国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」から眺めた地球 出典:JAXA/NASA