インタラクション2023秋「研究者紹介~スーパーカミオカンデのスーパー研究者関谷先生~」②
皆さん、こんにちは!
カミオカラボのサイエンスコミュニケーター(SC)、山田です!
今回は前回の研究者インタビューの続きの投稿です。
まだ前回のインタビュー内容を見ていない方はそちらもぜひご覧ください。
今回は関谷先生にニュートリノに関する質問に答えていただきました!
サイエンスコミュニケーターの私自身も来館者の方々からよく質問される内容ばかりだったので、研究者の方がどのように答えるのか興味がありました!
それでは関谷先生のインタビューの続きです!
Q ニュートリノより小さい物質はありますか?現状見つかっていないとしたら先生は今後見つかると思いますか?(質問者:無記名)
A 量子力学の世界では大きさは定義できないので、小さいというのは反応するまでの距離と言い換えれば、ニュートリノよりもっと近づかないと反応しないものはあると思うし、質量が小さいという意味では、ダークマターなどまだ見つかっていない未知の素粒子の候補はたくさんあるとは思うので見つけたいです。
Q ニュートリノに重さがあると何に役に立ちますか?(質問者:みさ)
A 普段の生活には役には立たないけど、ニュートリノ振動を通じて「なぜ宇宙が今の状態になったのか」を調べる実験があります。ニュートリノに重さがないとニュートリノ振動が起こらないので、そもそもそういう実験ができません。つまり、今の宇宙を作るのにはニュートリノに重さがあることが役立っているのでニュートリノに重さがなかったら太陽や地球は生まれていなくて、あなたも生まれていないから、きっとあなたにとっても役立っていますとは言えるかもしれません。そういう意味では今の世の中を作ることには役立っているかもしれません。
Q 副産物的にニュートリノを観測する技術が役に立つことがありますか?(質問者:SC)
A あると思います。スーパーカミオカンデには光センサーと水が必要なのですが、光センサーは浜松ホトニクスがスーパーカミオカンデを作った技術を磨いて医療に応用していますし、将来半導体を作るときにスーパーカミオカンデの超純水を作るオルガノの技術が必要になるかもしれないし、そういう技術的な役立ちかたはあると思います。
ご覧いただきありがとうございました!
今回は関谷先生にニュートリノに関する皆さんからの質問に答えていただきました。
私自身も来館者の方々からよく聞かれる質問内容でしたが、関谷先生の「ダークマターとかまだ見つかっていない未知の素粒子の候補はたくさんあるとは思うので見つけたいです」という研究者ならではの回答が印象的でした!
次回の第3回では関谷先生が行っているスーパーカミオカンデの研究についてのエピソードを投稿します!
次回もお楽しみに!