0ν2β ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊
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0ν2β ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊

NPO法人飛騨アカデミー理事でジオスペースアドベンチャー(GSA)実行委員会の上葛健介(カミクズケンスケ)です。

連携協力協定の締結

2021年3月28日、東北大学ニュートリノ科学研究センターと飛騨市の間で、連携協力協定が締結されました。
神岡の地で行われている研究所との連携協定としては、2017年1月22日の東京大学宇宙線研究所との連携協定に続くものです。

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(左:都竹淳也飛騨市長 右:井上邦雄センター長)

ジオスペースアドベンチャーにご参加いただいた方はご存知の通り、当ツアーでは、真っ暗な神岡鉱山坑内を歩いて見学し、突然赤フン隊が登場したかと思うと迫力ある重機が迫り、東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデのタンクの上を現地見学した後、神岡公民館に戻り東北大学ニュートリノ科学研究センターが行っているKamLAND実験の研究説明と質疑応答があります。

この研究説明と質疑応答を務めるのが、東北大学の学生さんたちで、毎年仙台からやってきてはお手伝いをしていただいていました。先生から叱咤激励を受けながらツアー参加者に一生懸命説明している姿は、それぞれの研究に熱心に取り組まれている様子と被って、ジーンとなります。長年本当にお世話になっています。ありがとうございます。

そんなわけで、ジオスペースアドベンチャーとしても、東北大学と飛騨市の協定は非常にありがたく感じておりまして、これからますますいろいろできそうな予感がしているところです。

ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊

ジオスペースアドベンチャーのKamLANDコーナーでの説明や、3月28日の連携協力協定後に東北大学ニュートリノ科学研究センター長の井上先生がお話しされたのは、KamLAND実験でキーワードとなる、二重ベータ崩壊です。

そうです。にじゅうべーたほうかい。です。
ぼくも崩壊しそうな難解な言葉なのですが、めちゃめちゃ簡単に解説してみますと、

まず。
ニュートリノってめちゃくそ小さく、めちゃめちゃたくさんあるわけですが、そのニュートリノには、ほんの少しだけほんのわずかだけ質量があることがわかりました。梶田先生がノーベル賞を取るきっかけとなった研究ですね。

その質量ってでも、電子の質量よりも全然小さいんですよ。びっくりするくらい。
これはなんだかおかしいぞ。と。
普通で考えたら、軽いニュートリノだけじゃなくて重いニュートリノもあるんじゃないの?。と。

この重いニュートリノは、宇宙が誕生した頃にガスや星などの物質を生み出すために大きな役割を果たしたと考えられていて、ニュートリノが軽いという謎も解決するし、まさに一石二鳥!
ただ、そのためにはもう一つニュートリノに関する条件が必要。

素粒子には質量は同じだけど電荷が正負逆の反粒子というものが存在していて、ニュートリノにも反ニュートリノというものが存在するんですが、そもそも電荷がないニュートリノなので、反ニュートリノってなんなん、何か性質が違うん?ってことになるわけですよ。

これらのことから、あれ?えっ?も、もしかして、ニュートリノと反ニュートリノって同じなんじゃないの?っていう仮説が生まれまして、じゃ、実験してみよう!となるわけです。

(ここが実験の面白いところですね。仮説に対して、どうしたら証明できるんだということをめちゃめちゃ考えて実験装置を作っていく。カミオカの地にはそんな実験装置が、しかも大型の実験装置がたくさんあってワクワクです。)

そして、その実験ですが、ターゲットになったのはキセノン。
不安定な原子はたまにアルファ崩壊やベータ崩壊を起こして、安定な原子へと変化(高校物理・化学)しますが、とあるキセノンも同じようにベータ崩壊を起こし、同じタイミングで2つ同時にベータ崩壊を起こすことがあるんです。これが二重ベータ崩壊。

普通の二重ベータ崩壊だと、2つの電子と2つの反ニュートリノが出てくるらしいのですが、もし2つの反ニュートリノがニュートリノと反ニュートリノだとすると、プラスマイナスで打ち消すように対消滅し、出てこないんですよね。そうすると、出てくるのは2つの電子だけ。

これを観測するわけです。これが観測されると、すごいことになるわけです。

東北大学ニュートリノ科学研究センターではKamLANDからさらに進化したKamLAND-Zenという研究に移行して、これを捉えようとして日夜実験を続けていらっしゃいます。

そんなわけで簡単すぎるくらいの説明をしたのですが、これじゃよくわからないよ。もっと詳しく知りたい!って方は、KamLANDのウェブページをご覧いただくか、こちらの研究紹介をご覧ください!

ニュートリノは神の粒子か?− 神岡地下1000 mで進む0νββ発見への挑戦 −

というわけで今回、東北大学ニュートリノ科学研究センターと飛騨市の連携協力協定にあわせてKamLANDの実験について触れたのですが、カミオカの地で行われているいろいろな実験については、こちらのページで紹介してありますので、ぜひご覧ください。連携協力協定式の時に配られたパンフレットもこちらからダウンロードできます。

KamLAND Tシャツ

さてさて、連携協力協定のもとジオスペースアドベンチャーとしては、やはり、新しいKamLAND Tシャツを作りたいですよねー。

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こちらの写真は、2018年のGSAで作成しましたKamLAND Tシャツで、グラフは原子炉ニュートリノを観測してニュートリノ振動を確認したところ。次はKamLAND-ZenのTシャツ作りたいですw

本文タイトルの、「0ν2β」は、ニュートリノがゼロで、2つのベータ崩壊を表しているのですが、これのTシャツとかカッコよくないですか?w


注)今回の文章につきましては、いちKamLANDファンが書いたものに過ぎませんので、正確性に欠ける部分もありますがご承知おきください。


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