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神岡の水

    お久しぶりです。スタッフの佐古です。
 梅雨の中休みなのか、30度近い真夏のような気温の日が続いています。カミオカラボの館内では、送風、除湿、冷房を切り替えながら、来館者の皆様が快適にお過ごしいただけるよう空調にも努めています。
 スーパーカミオカンデの水槽内には、純水5万トンをたたえて観測しています。ゴミやほこりはもちろんのこと、ミネラル分なども取り除き限りなくH₂Oに近づけているそうです。
 さて、スーパーカミオカンデのある神岡市街は、水屋巡りでも一日楽しむことができます。夏は冷たく、冬は温かい11度~14度の水が、町の西にそびえたつ1348㍍の大洞山の山麓からこんこんと湧き出ています。地域の方々が共同で管理する水屋が、町のあちらこちらに点在しています。権七水屋、牛ケ口水屋、柳川水屋、栄町水屋、桜町の水屋、幸土泉水、また、民家の玄関先に手水が提供されている場所など大小取り混ぜると両手では数え切れません。「大洞水道」として、普通の上水道と二つの蛇口を備えている古くからのお宅もあります。船津大洞湧水群として、1986年には岐阜県名水50選に選ばれました。
 船津(神岡市街地の昔の呼び方;神岡町は1950年に、船津町、阿曽布村、袖川村が合併して誕生しました。その後2004年に古川町、河合村、宮川村と合併して飛騨市神岡町となりました。)周辺の山々は花崗岩でできているそうです。船津の水は花崗岩でろ過されているから、ミネラル分が溶けていておいしいのではないかと言われています。そういえば、おいしい酒どころの近くには花崗岩があると聞きました。例えば、兵庫県灘の近くには六甲山があるというように。
 各水屋から湧き出る水は、それぞれ異なる味がすると言われています。小学校低学年では、生活科の授業で町探検と称して市街地をめぐります。水屋でのどを潤す際に子どもたちは、「こっちの水がおいしい。」「あっちの水の方が好きだ。」などと話しながら飲んでいると聞きました。ブログ読者の皆様も神岡へ足を運ばれた折には、是非おいしい水をご賞味ください。これからの汗ばむ季節、水屋のひんやりとした空気とのど越し爽やかなおいしい水は、あたかも清涼飲料水のようです。
 ところで、かつてスーパーカミオカンデに使われる超純水を試飲した方に感想をお聞きしたところ、「無味無臭でのど越しが悪く、コップ一杯が飲めなかった(あくまで個人の感想)。」とのことでしたが、何事も経験!一度味わってみたいと思っています。